盲導犬: 何世紀にもわたる新しい技の習得

国際盲導犬週間にちなんで、障がいを持つ人々を助けるために犬の仲間たちが果たしてきた役割の歴史を探ります。

先史時代の人間は少なくとも15,000年前からオオカミを飼いならし、危険な群れの捕食者を忠実な仲間に変え、異なる任務のために特化した犬種を作り出しました(この話の別のバージョンでは、オオカミがキャンプ生活の恵みを味わった後、自ら家畜化を進めたとされています)。しかし、正確にいつ犬が障がいを持つ人々やその他の困難を抱える人々の援助者になったのかは依然として謎です。このようなパートナーシップの最も古い証拠は、古代ローマの都市ヘルクラネウムの遺跡で発見されたフレスコ画で、盲目の男性が犬に導かれている様子が描かれています。これは紀元1世紀にさかのぼります。中世のヨーロッパの木版画や中国の巻物絵にも似たようなシーンが描かれています。

1750年代: 最初の体系的な盲導犬の訓練

視覚障がい者の助け手として知られる盲導犬の最初の体系的な訓練は、1750年代のパリの盲人病院で行われました。数十年後、オーストリアの盲目の男性ヨーゼフ・ライジンガーは、スピッツ犬と後にプードルを非常に上手に訓練し、他の人々は彼が障がいを偽っていると思うほどでした。別のオーストリア人、ウィーン盲人訓練所の創設者であるヨハン・ヴィルヘルム・クラインは、1819年に盲導犬の訓練マニュアルの一つを出版しました。彼はプードルとシェパード犬を最適な犬種として推薦し、特別なハーネスとポールの使用を提唱しました。

現代の盲導犬運動の始まり

第一次世界大戦後、ドイツで現代の盲導犬運動が始まりました。この戦争で、主にマスタードガスによって何千人もの兵士が盲目になりました。ある話によると、医師のゲルハルト・スタリングは、退役軍人病院で回診中に視覚障がい者の患者のそばにジャーマンシェパードを一時的に残しました。戻ってきたとき、犬が若者を特に保護していることに気付きました。スタリングは、戦時中に何百匹ものコリー犬を訓練して負傷兵を追跡し、メッセージを運び、その他の任務を前線で遂行させたドイツ救急協会の会長を務めていました。1916年頃、彼はこの組織にこれらの犬を再訓練し、盲目の退役軍人に配属する任務を課しました。スタリングのプログラムは10年以内に終了しましたが、1923年にドイツシェパード犬協会がポツダムに訓練センターを開設し、1930年までに退役軍人と市民のために4,000匹の盲導犬を育成しました。

アメリカにおける盲導犬の導入

ドロシー・ハリソン・ユースティスという裕福なアメリカ人は、1920年代にスイス軍のために警察犬を育成し訓練していました。彼女はポツダムを訪れ、訓練演習を観察し、盲導犬と共に忙しい通りを巧みに歩く盲目の男性を見て、1927年10月のサタデー・イブニング・ポスト誌で彼女の経験を詳述しました。ユースティスは、記事の最後にドイツの盲導犬モデルを強く支持し、「家族の一員や友人、または有料の介助者に依存することなく、盲人は再び以前の生活を取り戻し、安心して仕事に行き来し、安全に移動し、友人と過ごす時間を楽しむことができる。健康的な長い散歩も可能となり、体を強く保つことができる。諸君、改めてシェパード犬を推薦する」と書きました。

モリス・フランクの挑戦と成功

ユースティスが記事を発表した直後、テネシー州の19歳の盲目の若者モリス・フランクから熱意ある手紙を受け取りました。「私のような何千人もの盲人は他人に依存することを嫌います」と彼は書きました。「私を助けてくれれば、私は彼らを助けます。私を訓練し、私の犬を連れて帰り、盲人が完全に自立できることを証明します。」翌年、フランクはスイスに渡り、犬の仲間バディを連れて帰国しました。興味津々の記者に囲まれた彼は、ユースティスに「成功」と一言の電報を送りました。1929年、ユースティスとフランクはアメリカ初の盲導犬学校「ザ・シーイング・アイ」を設立し、5年後にはイギリスで「ガイド・ドッグス・フォー・ザ・ブラインド・アソシエーション」が設立されました。

世界中の盲導犬訓練センターの拡大

その後の数十年で、訓練センターは世界各国に広がり、アメリカでも各地に盲導犬学校が開設されました。今日では、盲導犬は視覚障がいだけでなく、聴覚障がいやてんかん、自閉症、不安障がい、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など、幅広い課題を持つ人々を支援しています。2009年に国際盲導犬週間が創設され、これらの勤勉な犬とその訓練士を認識し、彼らが無数の人生をどのように変えたかについての認識を高めることを目的としています。

(訳者注:日本において、視覚障がい者向けの補助を担う盲導犬とは別に、手足が不自由な方を助ける介助犬、聴覚障がい者を助ける聴導犬という種類が単語として存在し、これらを総じて補助犬と呼びます。元の記事で"Assistance Dogs"と表現される単語を盲導犬と一律に訳しているため、記事中では補助犬のことも盲導犬と表現しています。)

引用元:Assistance Dogs: Learning New Tricks for Centuries – https://www.history.com/news/assistance-dogs-learning-new-tricks-for-centuries